雲のワンポイント講座

雲のワンポイント講座 第10回 ~低気圧や温暖前線接近時の雲の変化~

日本付近は夏を除いて、天気は西から東へと変わっていきます。これは日本付近を流れる上空の強い西風(偏西風)に乗って、高気圧や低気圧が進んでくるからです。今回は、低気圧や温暖前線が接近してくる際、どのように雲が変化していくのか見ていきます。

低気圧や温暖前線が接近する際、まず最初に西の空にすじ雲(巻雲)が現れます(写真1)。

 

写真1 空高いところにすじ雲が現れる

次に現れるのがうす雲(巻層雲)で、これが全天を覆うようになると薄曇りの天気になり、やがて雲が厚みを増しておぼろ雲(高層雲)へと変化していきます(写真2)。

 

写真2 太陽がおぼろげに見える高層雲

最後は写真3の雨雲(乱層雲)に変わり雨や雪が降り出しますが、高い山ではおぼろ雲が厚みを増すと、平地より一足早く天気の崩れることが多くなります。

 

写真3 雨雲に覆われると平地でも天気が崩れる

写真1の状況では雨が降り出すのは半日~1日後、写真2で数時間後になります(高い山では30分~1時間後のことも)。このように雲の変化を見ていくことで、あとどのぐらい天気がもつのか山の中で判断することができます。

 

文:窪田純(株式会社ヤマテン)、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)

※図、写真、文章の無断転載、転用、複写は禁じる。

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