雲のワンポイント講座

雲のワンポイント講座 第12回 ひつじ雲→おぼろ雲は雨

ひつじの群れのような雲が空に広がることがあります。この雲を高積雲(こうせきうん)、またはひつじ雲と言います。一方、空一面にムラのない、一様な灰色の雲が広がることがあります。この雲を高層雲(こうそううん)、またはおぼろ雲と呼びます。おぼろ雲は太陽がおぼろげに見えることから名づけられました。

 

ひつじ雲がおぼろ雲に変わっていくようなとき、天気が崩れることが多くなります。4月18日は、まさにそのように雲が変化した日でした。

 

写真1 朝、長細いタイプの高積雲が現れる

写真1のように、雲がいくつも平行に並んでいるのは、空気中に重力波と呼ばれる波が発生するからで、このような高積雲を波状高積雲と呼びます。重力波によって雲ができる仕組みについては104回の観天望気講座をご参照ください。

https://blog.goo.ne.jp/yamatenwcn/e/aacf74d5655eb3aa18757eaae0cc8f00

写真2 次第に空を埋め尽くすようになる高積雲

高積雲は写真1のように、空の一部分だけ現れているときには、天気が崩れることは少ないのですが、写真2のように全天に広がり、特に西側の空に隙間がない状態だと、天気が崩れていくことが多くなります。

 

写真3 高積雲に隙間がなくなり、高層雲に変わっていく

高積雲が塊状の雲に対し、高層雲は全天を覆う、切れ間のない雲です。通常はムラのない写真4のような雲になりますが、今回は大気が乱れていて、ムラのある高層雲になりました。

 

写真4 ムラのない高層雲

写真5 西側の空がさらに暗くなり、乱層雲(雨雲)に変わっていく

写真5のような空になると、まもなく雨が降り出します。

天気が崩れるパターンはいくつかありますので、ひとつずつ覚えていきましょう。

 

文・写真:猪熊隆之

 

ヤマテンの会員は、ヤマレコのアプリでヤマテンの天気予報をご確認いただくことができます。山中で電波が通じない場所でも、一度ダウンロードしたページを見ることができます。詳細は下記のページでご確認ください。
https://www.yamareco.com/guide/guide_android/yamaten/