雲のワンポイント講座

雲のワンポイント講座第28回 ~レンズ雲の親子~

先日、権現岳の山頂からレンズ雲が親子のように並んでいる姿を見ました。

 

写真1 権現岳の山頂からのレンズ雲

レンズ雲とは上空で風が強いときにできる雲です。強い風が山を越えるときにできる上昇気流で雲が発生します。今回のように、2つのレンズ雲が並んでいるときは、山を越えるときに発生した空気の波が下流側に伝わって、そこでできる上昇気流がもうひとつのレンズ雲を作っていることになります(図1)。

 

図1 レンズ雲ができる仕組み(山岳気象大全「山と渓谷社」より)

写真2 権現岳の山頂からレンズ雲と大気の流れ

レンズ雲は強風の兆候(サイン)になります。このときも写真を撮影したときには、風は弱かったのですが、その後、風が強まりだしました。この雲を見かけたら、その後の強風に注意した方が良いでしょう。

 

文、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)

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