観天望気講座講座

風の強さにも注目しよう! ~安全登山のためのワンポイントアドバイス~

天気マークは見ているけど、風速や気温には注目していない方が結構いらっしゃいます。登山においては、強風は大きなリスクになる場合があります。

たとえば、突風に煽られて滑落してしまったり、テントが倒れてしまったり、ポールが折れてしまったり、雨や雪を伴っているときは低体温症のリスクがありますし、冬季は凍傷のリスクもあります。特に、これからの季節、吹雪になるときは視界が非常に悪くなり、道迷いのリスクも増えます。地図アプリを持っていても、手袋を外さなければならず、凍傷になってしまったり、雪や氷が画面に張り付いて見づらかったり、モタモタしているうちにバッテリー切れになるということがあります。

写真1 ヤマテン事務所からの天狗岳、根石岳、箕冠山

また、同じ目的地でも登山ルートによってリスクが大きく異なります。
八ヶ岳では天狗岳を西尾根から登頂するなど強風に晒されるコースはリスクが高まります。黒百合ヒュッテ方面からなど樹林帯から登るコースに変更し、森林限界で進退判断をする方が安全です。千畳敷からの木曽駒ケ岳、宝剣岳の登山も千畳敷カール内ではさほど風が強くなくても、乗越浄土に着いた途端に強風で身動きが取れなくなり、救助を求めるケースがあったり、稜線上や乗越浄土直下の斜面で突風によりバランスを崩して転滑落する事故が相次いでいます。風速の予想値や大荒れ情報が発表されているかどうかを確認して、稜線にあがるかどうかの判断をおこないましょう。

千畳敷からモルゲンロートの宝剣岳

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