笠雲(かさぐも)という雲があるのをご存じですか?富士山や利尻山など、独立峰に笠のような雲がかかることがあります。それを昔の人が雨や雪、日射などが当たらないように被った「笠」に似ていることから、笠雲と呼びます。八ヶ岳の場合、独立した山である蓼科山で見られることが多いですが、山脈が連なる他の場所で見られることはほとんどありません。今日は、そんな笠雲が南八ヶ岳の横岳にかかっていました。
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しかも、笠が二重になっています!このような雲を二重笠と呼びます。富士山では「「ひとつ笠は雨、二重笠は風雨」とことわざがありますが、富士山に限らず、笠が二重、三重になると山では大荒れ、麓でも大風が吹くことが多くなります。今回のように二重の笠が見られるときは、山では大荒れの天気に注意が必要です。なお、二重からひとつ笠に変わるときは、次第に風が弱まり、山の雲も取れていくことが多くなります。笠の変化に注目しましょう!
文責:猪熊隆之