山に登ることは空に近づくこと。
今回は、福岡市の西隣、福岡県糸島市にある標高210mの立石山(たていしやま)をご紹介します。
糸島市は、大都心近郊にあるとは思えない美しい海岸美を擁し、最近はオシャレなカフェの出店も相次いでおり、「福岡の湘南」とも言われる注目の町です。私が初めて立石山に登ったのは、仕事で福岡を訪れたとき。山岳部の後輩が単身赴任で博多に住んでいるときに、彼に誘われたのがきっかけです。そのときに一目ぼれしたのが立石山。それから福岡に出張するたびに訪れています。
この山を選んだ理由のひとつは、空が広いこと。標高210mという低山にもかかわらず、糸島半島の突端にある山なので周囲全てが海。そのため、どの方角を見ても空が開けており雲観察にはうってつけです。日本の上空を偏西風(へんせいふう)と呼ばれる西風が吹いているため、春と秋は、西から崩れていくことが多くなります。そのため、西の空を確認するのが観天望気の基本。西の空から薄雲が広がっていくと天気が崩れることが多くなります。また、冬は季節風が吹くと、北西側や北側から天気が崩れていくことが多いので、それらの方角を確認することが必要ですが、立石山は北~北西側の空も広く開けています。
写真1 上に登るごとに、眼下にはエメラルドブルーの海が広がる
二つ目の理由は、都市近郊の低山で、お天気が良いときにサクっと行けること。やはりこの山は晴れた日に登っていただきたいです。なぜなら、玄海灘が陽光に照らされてエメラルドブルーに染まるから。私がこの山を訪れるのも、山頂からの絶景を眺めたときの感動が忘れられないからです。
また、最短コースを取ると往復1時間30分ほど、足の速い人は1時間もあれば行って帰ってこれます。そのため、出張で行ったときや、半日程度予定が空いたときなどにも行くことができるのです。登山口が美しい芥屋海岸ですから、登山後に海水浴したり、海岸でまったりしたりという過ごし方もいいですね。もちろん、山頂ではゆっくりと空や景色を眺める時間が欲しいですけど。
〇おすすめコース
時間がないときは、最短ルートの芥屋海岸からの往復がおすすめです。また、時間に少し余裕があるときは、芥屋第一駐車場から歩き出し、天神山ため池の先にある登山口から登って立石山を経て芥屋海岸に下山するコースがおすすめです。小さなピークをたどって「プチ縦走」が楽しめます。いずれのコースも歩く時間は短いですが、ちょっとした岩場や急な斜面がありますので、足ごしらえはしっかりとして行きましょう。
ヤマテンで発表している「山の天気予報」では2022年1月のリニューアルオープンに伴い、立石山の天気予報も見られるように!天気予報を確認して晴れた日に訪れたい山です。 i.yamatenki.co.jp/