雨が降っているときや、雨上がり、霧がぱぁーっと晴れたときに上の写真のような雲が山から湧き出るように発生するのを見たことがあると思います。この雲を森林蒸散雲(しんりんじょうさんうん)と呼びます。
長く雨が降ると、雨は地上に落ちてくる間に少しずつ蒸発するので、空気中の湿度が高くなります。また、森に降った雨は木の幹や葉っぱから蒸発していくので、木がない場所よりも水蒸気が溜まっていき、空気の中は水蒸気でお腹いっぱいになっていきます。そして、含み切れなくなった水蒸気が雲に変わっていくのです。森に流れる神秘的な雲は、木々の蒸発散によって生まれているのですね。
文、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)
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